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発生生物学:ショウジョウバエの精巣ではナノチューブがニッチ–幹細胞シグナル伝達に関与している
Nature 523, 7560 doi: 10.1038/nature14602
幹細胞ニッチは、常在する幹細胞にその性質を指定するシグナルを送っている。ニッチからのシグナルは短距離で作用し、幹細胞のみが自己再生シグナルを受け取り、分化に向かう子孫細胞は受け取らない。しかし、ニッチからのシグナル伝達を幹細胞に限定する細胞機構については、ほとんど分かっていない。本研究では、ショウジョウバエ(Drosophila)の雄の生殖系列幹細胞が、「微小管依存性ナノチューブ(microtubule-based nanotube)」という、これまで知られていなかった構造を形成しており、これがニッチの主要構成要素であるハブまで伸びていることを明らかにする。微小管依存性ナノチューブは、生殖系列幹細胞集団内で特異的に観察され、その形成には鞭毛内輸送タンパク質を必要とする。また、骨形成タンパク質(BMP)受容体であるTkvが、微小管依存性ナノチューブに局在している。微小管依存性ナノチューブが乱されると、生殖系列幹細胞内でのDppシグナル伝達の活性化が減弱し、生殖系列幹細胞の消失につながる。さらに、DppリガンドとTkv受容体の相互作用は、微小管依存性ナノチューブの形成に必要かつ十分である。微小管依存性ナノチューブは、受容体とリガンドの選択的相互作用のための新たな機構であり、ニッチ–幹細胞シグナル伝達の短距離作用という性質に寄与していると我々は考える。

