ナノスケール材料:量子ドットを含むペロブスカイトの固体
Nature 523, 7560 doi: 10.1038/nature14563
ヘテロエピタキシーは、結晶膜を原子レベルで整列させて異なる結晶基板に成長させるもので、電流励起レーザー、多接合太陽電池、青色発光ダイオードの基礎となっている。結晶コヒーレンスは、原子の種類を変えても保たれる。これは、量子井戸、量子細線、量子ドットの実現が可能になる重要な要因となる事実である。ヘテロエピタキシャル成長の結果として得られる界面品質によって、相補的な性質を持つ材料の新たな組み合わせが可能になるため、単一相の構成要素では得られない機能性を設計し、実現できるようになる。今回我々は、有機ハロゲン化物ペロブスカイトとあらかじめ形成しておいたコロイド量子ドットを溶液相中で結合させると、エピタキシャル配向した「ドット・イン・マトリックス」結晶が形成されることを示す。透過型電子顕微鏡と電子線回折を使って、約60 nmの大きさのヘテロ結晶が少なくとも20個のコロイド量子ドットを含んでおり、こうしたドットは、ペロブスカイトマトリックスの結晶方位を受け継いで互いに配向していることを明らかにした。こうしたヘテロ結晶は、原子スケールの結晶コヒーレンスに起因する優れたオプトエレクトロニクス特性を示すことが分かった。すなわち、バンドギャップのより大きなペロブスカイトに生じた光電子と正孔は、ペロブスカイトの優れた光キャリア拡散を利用して、80%の効率で量子ドットナノ結晶に移動して励起子となり、量子調整された赤外バンドギャップ材料から明るい光を発生させる。我々は、ペロブスカイトマトリックスの電気輸送特性と量子ドットの高い放射効率を組み合わせて、溶液プロセスによる赤外オプトエレクトロニクスを進展させる新しいプラットフォームを作り出した。

