がん:アビラテロンのD4Aへの変換は前立腺がんで抗腫瘍活性を高める
Nature 523, 7560 doi: 10.1038/nature14406
前立腺がんの去勢抵抗性は、腫瘍が前駆体ステロイドを5α-ジヒドロテストステロン(DHT)へ変換する代謝能を獲得して、アンドロゲン受容体によるシグナル伝達および去勢抵抗性前立腺がんの発生を促進するために生じる。抵抗性に必須であるDHT合成は、副腎の前駆体ステロイドから、あるいは、おそらくコレステロールからのde novo合成により行われ、3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3βHSD)、ステロイド 5α-レダクターゼ(SRD5A)および17β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(17βHSD)アイソザイムの酵素反応を通常必要とする。ステロイド 17α-ヒドロゲナーゼ/17,20-リアーゼ(CYP17A1)の阻害剤であるアビラテロンは、この合成過程を阻害し、生存期間を延長する。我々はアビラテロンが、ある酵素によって、より活性の高いΔ4アビラテロン(D4A)に変換され、これが複数のステロイド産生酵素を阻害し、アンドロゲン受容体に拮抗することが、アビラテロンの臨床活性のさらなる説明になるという仮説を立てた。本研究で我々は、アビラテロンがマウスおよび前立腺がん患者でD4Aに変換されることを示す。D4Aは、DHT合成に必要なCYP17A1、3βHSD、SRD5Aを阻害する。さらに、D4Aによるアンドロゲン受容体との競合的拮抗作用は、強力なアンタゴニストであるエンザルタミドに匹敵する。またD4Aは、異種移植腫瘍に対してアビラテロンよりも、より強い抗腫瘍活性を示す。我々の知見は、アビラテロンによる生存延長効果は、より活性の高い物質への変換によるものであるという、追加的な説明を示唆している。アビラテロンの投与よりもD4Aを直接投与することが、臨床的により効果があると思われる。

