Letter

宇宙物理学:大規模な銀河団における自己相似的なエネルギー収支論

Nature 523, 7558 doi: 10.1038/nature14552

大質量銀河団は、高温で乱流状態にある、磁気を帯びた銀河団内物質で満たされている。銀河団は今もなお、重力不安定性の作用の下で形成されているため、超音速流の降着によって質量を増加させている。こうした降着流は、大規模な衝撃波の複雑なネットワークを通して、部分的に熱へと変わるが、一方で残りの遷音速の(音速に近い)流れは巨大な乱流渦とカスケードを作り出す。乱流は銀河団内物質を加熱し、ダイナモ作用によって磁気エネルギーも増幅する。しかし、重力エネルギーから力学的、熱的、乱流的、そして磁気的なエネルギーへの変換を調整するパターンは、まだ分かっていない。本論文では、銀河団内物質のエネルギー成分が永続的な階層によって秩序付けられており、熱エネルギー密度と乱流エネルギー密度と磁気エネルギー密度の比率は、それぞれの成分が進化し、乱流ダイナモがエネルギー等分配へ向かっているにもかかわらず、銀河団の歴史を通して実質的に変化していないことを報告する。この結果は、質量降着の間に解放された重力エネルギーによる乱流生成の効率がほぼ一定であることを中心に展開されたものであり、我々の宇宙論的構造形成の計算モデルによって明らかになった。この階層の永続的な特性は、宇宙論におけるもう1つのタイプの自己相似性を反映していると同時に、現在のデータと矛盾しないその構造は、乱流加熱とダイナモ作用の効率についての情報をエンコードしている。

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