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構造生物学:アクチン様ParMフィラメントの構造から明らかになった、プラスミド分離紡錘体の構成
Nature 523, 7558 doi: 10.1038/nature14356
大腸菌(Escherichia coli)の低コピー数プラスミドR1の能動的な分離には、左巻き二重ヘリックスであるアクチン様ParMフィラメントからなる双極紡錘体の形成を必要とする。ParRは、フィラメントと動原体のParCプラスミドDNAを結び付ける一方、ParMフィラメントへのサブユニットの付加を促進する。成長するParMRC紡錘体は、姉妹プラスミドを細胞極へ押していく。今回我々は、新しい低温電子顕微鏡法を用いて、in vitroおよび細胞中でのParMフィラメントの構造と配置を調べ、サブユニットとフィラメントが集合して、知られている中で最も簡素な有糸分裂装置が形成される仕組みをほぼ原子レベルの分解能で明らかにする。動的不安定性が生じる機構の解明のため、我々はさまざまなヌクレオチドと結合した状態にあるParMフィラメントの構造を決定した。ATP類似体のAMPPNPと結合したフィラメントの構造は4.3 Å分解能で決定され、最適化された。得られたParMフィラメントの構造から、縦方向の界面の相互作用は強く、横方向の相互作用が弱いことが示された。やはり低温電子顕微鏡法によって、逆平行の紡錘体を形成するダブレットParMを再構築した。さらに、細胞全体を対象とする低温電子線トモグラフィー法により、ParMRC遺伝子座と共に低コピー数プラスミドを含む細菌細胞中にはダブレットが豊富に存在することを示す。これはR1プラスミド分離の非同期モデルにつながる。

