Letter
エボラウイルス:脂質ナノ粒子に封入されたsiRNAによるマコナエボラウイルスを感染させた非ヒト霊長類に対する治療
Nature 521, 7552 doi: 10.1038/nature14442
西アフリカでのエボラウイルスの現在の大流行は前例のないものであり、これまでの大流行を全て合わせたものよりも多数の患者や死者が出ているが、いまだ抑制されていない。いくつかの曝露後介入が、コンパッショネート使用により、ヨーロッパや米国に送還された患者の治療に用いられている。しかし、これらの介入のエボラウイルス新規流行株に対するin vivoでの有効性は分かっていない。今回我々は、エボラウイルスのマコナ(Makona)流行株を標的とするように迅速に適合させた短鎖干渉RNA(siRNA)を脂質ナノ粒子に封入し、それを、致死量ウイルスへの曝露後3日目のアカゲザル(ウイルス血症と臨床症状が見られた)に投与を開始すると、100%のアカゲザルで防御できることを示す。ウイルスを感染させた全てのアカゲザルで、血液学的異常、血液化学的異常および血液凝固障害など、疾患の進行を示す証拠が見られたが、siRNAを投与したアカゲザルは臨床症状がより軽度で完全に回復し、siRNA未投与の対照アカゲザルはこの感染により死亡した。これらの結果から、非ヒト霊長類で新規流行株に対する抗エボラウイルス治療薬の有効性が、我々の知る限りで初めて実証され、脂質ナノ粒子に封入して送達するsiRNAによる治療の迅速な開発が、この非常に致死性の高いヒト疾患への対策になることが明確に示された。

