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免疫学:Cas9はCRISPR–Casによる獲得免疫過程で機能を備えたウイルス標的を特定する
Nature 519, 7542 doi: 10.1038/nature14245
CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)遺伝子座とCas(CRISPR-associated)タンパク質は原核生物でウイルス感染に対する獲得免疫を生じさせる。感染の際には、スペーサーとして知られるファージ由来の短い配列がCRISPRリピート配列の間に挿入され、それが小型RNA分子に転写されて、Cas9ヌクレアーゼをウイルス標的(プロトスペーサー)に誘導する。化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)のCas9がウイルスゲノムを切断するには、ウイルス標的のすぐ下流側に5′-NGG-3′というPAM(protospacer adjacent motif)配列が存在しなくてはならない。条件に合ったPAMに隣接するウイルス配列が新しいスペーサーとして選択されるかどうか、およびその方法については分かっていない。本研究では、スペーサー獲得過程でCas9がPAMの認識により、機能を備えたスペーサーを選び出すことを示す。cas9をPAM認識モチーフを持たない対立遺伝子、あるいはNGGNG PAMを認識する対立遺伝子に置換すると、スペーサー獲得過程でPAM特異性の消失、あるいは特異性の変化がそれぞれ引き起こされた。Cas9はスペーサー獲得装置の他のタンパク質(Cas1、Cas2およびCsn2)と会合することで、この過程にPAM特異性を与えているのだろう。これらの結果は原核生物の免疫記憶の発生にCas9が果たす新しい機能を確証している。

