Letter
宇宙物理学:X線で最も明るい銀河団内の乱流加熱
Nature 515, 7525 doi: 10.1038/nature13830
高温(107~108 K)でX線を放射する銀河団媒質(ICM)は、銀河団での支配的なバリオン成分である。多くの銀河団のコアで、その系の年齢よりもかなり短い時間スケールで、ICMからの輻射エネルギーの損失が起こっている。確認されていないものの、この冷却は低温ガスの大量の集積と激しい星形成を引き起こす可能性があるが、これは観測結果に反している。こうした冷却による損失を相殺することのできる、さまざまなエネルギー源が提唱されてきたが、最も有望なのは、相対論的なプラズマのバブルの膨張を通した、中心部の銀河内の超大質量ブラックホールによる加熱である。もともとのエネルギー源にかかわらず、このエネルギーがどのようにICMに輸送されるのかという疑問は、まだ解決されていない。本論文では、深X線データと、乱流の散逸からICMの加熱速度を直接に求めることができる新しいデータ解析手法に基づいた、この疑問に対する有望な解を示す。我々は、乱流加熱が輻射冷却を相殺するのに十分であり、実際にそれぞれの範囲で局所的に釣り合っているようなので、これは銀河団のコアだけでなく、より普遍的に銀河団から銀河群や楕円銀河のスケールの、X線を放射するガスに富んだ系の大気におけるガスの冷却を解明する上で重要な要素になる可能性があることを見いだした。

