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医学:PTEXの構成成分であるHSP101は多様なマラリアエフェクターの宿主赤血球への搬出を仲介する

Nature 511, 7511 doi: 10.1038/nature13574

熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)は、その生存と毒性に関わる数百のタンパク質を宿主の赤血球へ搬出する。輸送されるタンパク質が宿主細胞に入るには、原虫が入っている寄生胞の膜(PVM)を横断しなくてはならないが、その機序は不明である。PTEX(Plasmodium translocon of exported proteins)とされるものの1つが、少なくとも1種類のタンパク質の搬出に関わっていることが示唆されているが、これに対する直接の機能的証拠はまだない。今回我々は、PVMを横切る搬出にPTEXのClpB様AAA+ ATPアーゼの成分である熱ショックタンパク質101(HSP101)が必要であることを示す。シャペロンの自己抑制戦略を利用して、HSP101機能を迅速かつ可逆的に消失させたところ、無性および有性段階のマラリア原虫の両方で搬出がほぼ完全に遮断され、寄生胞内に基質が蓄積した。意外にも、この搬出遮断は全ての種類の搬出タンパク質にわたって起こり、HSP101に依存してPVMを横切る移動が、多数の経路からなる輸送過程の収束段階であることが分かった。搬出が停止した条件下では、HSP101とPTEX複合体の他の構成成分間の結合が解消し、これは複合体の完全性が効率的なタンパク質輸送に必要であることを示している。我々の結果は、タンパク質搬出にHSP101が不可欠かつ普遍的な役割を持つことを実証しており、宿主細胞へのタンパク質移動におけるPTEX機能に関する強力な証拠が得られた。

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