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がん:細胞競合は胸腺における腫瘍抑制機構である

Nature 509, 7501 doi: 10.1038/nature13317

細胞競合は、発生や疾患の過程で起こる細胞の適応度に応じた選択の基盤であることが明らかになりつつある、新しい原理である。細胞競合はがんに関係している可能性があるが、細胞競合の欠落と腫瘍形成の間の関連は実験では明らかになっていない。胸腺ではTリンパ球が前駆細胞から発生するが、この前駆細胞は骨髄由来の前駆細胞に絶えず置き換えられている。今回我々は、マウスではこのような代謝回転が、骨髄由来の「若い」前駆細胞と胸腺に定着した「老いた」前駆細胞の間の自然な細胞競合によって調節されることを示す。これら2種類の前駆細胞は遺伝的には同等だが、実行する遺伝子発現プログラムには違いがある。細胞競合が破綻すると、前駆細胞の自己複製、Hmga1の上方制御、形質転換、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)が起こる。このT-ALLが示す病理学的特徴、ゲノム損傷、白血病関連転写産物、Notch1の活性化変異は、ヒトのT-ALLに似ている。従って、細胞競合は胸腺における腫瘍抑制機構であるといえる。X連鎖重症複合免疫不全症患者では、遺伝子を修正した自家前駆細胞による治療後に、胸腺自律的なT細胞が発生し、白血病を発症することがあるが、細胞競合による適切な前駆細胞の選択の不全がその説明となるかもしれない。

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