Letter
材料:SnSe結晶における非常に低い熱伝導率と高い熱電性能指数
Nature 508, 7496 doi: 10.1038/nature13184
熱電効果によって、熱エネルギーと電気エネルギーの間の可逆的な直接変換が可能になり、廃熱から発電する実現可能な手段が得られる。熱電材料の効率は、無次元性能指数ZT(Zは性能指数、Tは絶対温度)によって決まり、これが熱変換のカルノー効率を支配する。特にPbやTeを含まない化合物の場合、一般的に高いしきい値2.5を超えることが、商業展開に重要な意味を持つ。今回我々は、室温で斜方晶のSnSe単結晶において単位胞のb軸方向で測定したところ、923 Kで2.6±0.3というこれまでにないZTが実現されたことを報告する。この材料は、c軸方向についても2.3±0.3という高いZTを示すが、a軸方向のZTは0.8±0.2と著しく低い。b軸方向のZTが著しく高いのは、SnSeの格子熱伝導率が本質的に非常に低いことに起因すると我々は考えている。SnSeの層状構造は、ひずんだ岩塩構造に由来しており、異常に高いGrüneisenパラメーターを特徴とする。これは非調和性異方性結合を反映している。SnSeにおける並外れて低い格子熱伝導率(973 Kで0.23±0.03 W m−1 K−1)は、この非調和性に起因すると我々は考えている。こうした知見は、高い熱電性能を達成するためのナノ構造化に代わる方法を明らかにしている。

