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発生生物学:頂端収縮は組織規模での流体力学的流動を生み出して細胞の伸長を調整する

Nature 508, 7496 doi: 10.1038/nature13070

頂端収縮が介在する上皮の折りたたみは、平面的な上皮のシートを多層の複雑な組織構造へと転換させる過程であり、ほとんどの動物で発生の至るところで見られる。しかし、組織の頂端側の表層付近で生み出される力が、どのようにして個々の細胞内に伝わり、組織の変形を特徴付ける細胞形態の全体的な変化をもたらすのかは、ほとんど分かっていない。本研究では、原腸形成期のショウジョウバエ(Drosophila)胚で粒子追跡速度計測法を使い、腹側溝(ventral furrow)形成中の細胞質と細胞膜の動きを測定した。腹側溝形成の伸長期における細胞質の再分布が、流体力学の予測と定量的に一致する粘性流によって正確に記述されることが明らかになった。細胞膜は周囲の細胞質とともに動き、細胞質の流動に対する抵抗あるいは推進力はほとんど見られなかった。意外なことに、原腸形成前に細胞を形成できない変異胚(「非細胞化(acellular)」胚)でも、頂端収縮は同様の流動パターンを作り出し、細胞質の全体的な再分布は、野生型胚の個々の細胞で起こる再分布の総和に極めて近かった。今回の結果は、腹側溝形成の伸長期には、細胞質の流体力学的挙動が、頂端側で生み出された力を組織の深部へと伝達する主な機構となっており、これには細胞の個別化は必要でないことを示している。

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