植物科学:シロイヌナズナではエピジェネティックに活性化されたsiRNAがmiRNAによってトランスポゾンから広範に誘導される
Nature 508, 7496 doi: 10.1038/nature13069
植物では、転写後遺伝子サイレンシング(PTGS)はDICER-LIKE 1(DCL1)依存性マイクロRNA(miRNA)によって行われ、このmiRNAはRNA-DEPENDENT RNA POLYMERASE 6(RDR6)、DCL4、ARGONAUTE 1(AGO1)を介して21ヌクレオチド長の二次型短鎖干渉RNA(siRNA)も生じさせる。一方、トランスポゾンの転写型遺伝子サイレンシング(TGS)には、24ヌクレオチド長のヘテロクロマチン(het)siRNA、RDR2、DCL3、AGO4が関わっている。DECREASED DNA METHYLATION 1(ddm1)とDNA METHYLTRANSFERASE 1(met1)変異体や花粉粒の栄養核、および脱分化した植物培養細胞ではトランスポゾンから21ヌクレオチド長の「エピジェネティックに活性化された」短鎖干渉RNA(easiRNA)も大量に生じることがある。今回我々はシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のeasiRNAが二次型siRNAに似ており、そのため何千ものトランスポゾン転写産物が50以上のmiRNAの特異的な標的となり、RDR6による切断とプロセシングを受けることを明らかにした。ddm1という条件下でRDR6、DCL4またはDCL1を欠失させると21ヌクレオチド長のeasiRNAが失われ、重度の不稔になるが、24ヌクレオチド長のhetsiRNAは部分的に復活することから、PTGSとTGSの間には競合関係があることが裏付けられた。従ってmiRNAが誘導するeasiRNA生合成は、トランスポゾン転写産物を特異的に標的とする潜在的な機構だが、生殖系列の再プログラミングの際に限ってエピジェネティックに再活性化される。この古い認識機構は、トランスポゾンの側としてはヘテロクロマチン化による長期的なサイレンシングを回避するために、宿主の側ではゲノムを守るために、保持されてきたのかもしれない。

