Letter
宇宙:小さな小惑星表面のレゴリス形成原因としての熱疲労
Nature 508, 7495 doi: 10.1038/nature13153
宇宙探査ミッションや熱赤外観測から、キロメートルサイズ以下の小さな小惑星は、センチメートルサイズ以下の小さい粒子で覆われており、これらの粒子がレゴリスの構成要素であることが示唆されている。レゴリスの生成は従来、微小隕石衝突による衝突噴出物の降下や大きな岩石の崩壊が原因であるとされてきた。しかし、実験室実験や衝突モデルから、クレーターの噴出物速度は、一般的に毎秒数十センチメートルより大きいことが示されており、この値はキロメートルサイズの小惑星の重力脱出速度に相当する。従って、衝突デブリは小さな小惑星表面のレゴリス生成の主因になり得ない。本論文では、熱疲労という、岩石を風化、破砕しその後に噴出が起こらない機構が小さな小惑星表面でのレゴリス生成を支配する主な要因であるということを報告する。我々は、温度の日変化によって誘発される熱破砕が、微小隕石衝突で壊されるよりも速やかに、数センチメートル以上の大きな岩石を壊すことを発見した。熱破砕は、小惑星サイズとは無関係なので、この過程はより大きな小惑星表面でのレゴリス生成にも寄与できる。熱疲労破砕に由来する新しいレゴリスの生成は、地球近傍小惑星表面の若返りの重要な過程である可能性があり、このことは、近日点の小さい炭素質地球近傍小惑星が観測されないことの説明になるかもしれない。

