Letter

生化学:生きた動物の骨髄中の局所的酸素濃度の直接測定

Nature 508, 7495 doi: 10.1038/nature13034

幹細胞の活性を微小環境つまりニッチが調節する仕組みの特徴を明らかにすることは、幹細胞の生物学的特性の解明や、幹細胞の治療的操作のための戦略開発に極めて重要である。低酸素分圧(低酸素状態)は、多数の幹細胞種で静止状態を維持する際に見られる共通のニッチ特性の1つであると一般に考えられている。しかし、低酸素ニッチの存在の裏付けは主に、プロテオーム解析や、低酸素誘導因子1α(Hif-1α)およびその関連遺伝子の発現、低酸素代理マーカー(例えば、ピモニダゾール)による染色といった間接的証拠によっている。本研究では、生きたマウスの骨髄での局所酸素分圧(pO2)をin vivoで直接測定した。我々は2光子リン光寿命顕微鏡法を用いて、骨髄の絶対pO2値が、血管密度は非常に高いにもかかわらず、かなり低い(< 32 mm Hg)ことを確定した。さらに、局所のpO2の不均一性も明らかになり、最も低いpO2値(約9.9 mm Hg、つまり1.3%)は、より深部の類洞周囲領域で観察された。対照的に、骨内膜領域はさほど低酸素状態ではなく、これは小動脈が潅流しているためで、そうした小動脈は多くの場合、マーカーであるネスチンに関して陽性である。これらのpO2値は、放射線照射や化学療法の後に顕著に変化することから、幹細胞の代謝的な微小環境の変化にストレスが関与していることを示している。

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