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遺伝:転写に影響するヒトのエピスタシスの検出と再現

Nature 508, 7495 doi: 10.1038/nature13005

エピスタシスは、ある形質に1か所の多型が及ぼす効果が、ゲノム中に存在する他の多型に依存して決まる現象のことである。エピスタシスが複雑な形質にどの程度影響し、このような形質に見られる差異にどの程度寄与しているかは、進化とヒト遺伝学の根本問題の1つである。エピスタシスについてはモデル生物での人為的遺伝子操作研究で度々実証されており、また、ヒト以外の生物種でいくつかの実例も報告されてはいるが、ヒトの形質の自然多型におけるエピスタシスの例はほとんど明らかになっていない。経験的に見つかることがないのは、単に複雑な形質の遺伝的制御でエピスタシスの発生率が低いためとも考えられるが、別な見方として、統計上の問題、そして計算上の問題からこれまでの技術では検出が難し過ぎたからだとも考えられる。今回我々は、高度な計算処理と遺伝子発現研究デザインを用いて、ヒトの一般的な一塩基多型(SNP)間にもエピスタシスの実例が多く存在することを明らかにする。末梢血で7,339の遺伝子発現レベルを測定した846人からなるコホートで、我々は、238個の遺伝子の発現に影響する一般的なSNP間での有意なペア間相互作用を501発見した(P < 2.91×10−16)。これらの相互作用について、2つの独立したデータセットを用いて再現解析を行ったところ、エピスタシスの影響の傾向が一致し(P = 5.56×10−31)、相互作用のP値が向上し、内輪に見積もった閾値P < 9.98×10−5から見ても、30の相互作用は有意であることが分かった。これらの遺伝的相互作用のうち44は、染色体の物理的相互作用が知られている5メガ塩基の領域中に位置していた(P = 1.8×10−10)。3個以上のSNPからなるエピスタシスネットワークが129個の遺伝子の発現レベルに影響を及ぼしており、1個のシスに作用するSNPが、数個のトランスに作用するSNPによって調節されている。例えば、MBNL1はrs13069559における相加作用によって影響を受けるが、rs13069559自体が14個の異なった染色体上のトランスに作用するSNPによって隠され、各シス–トランス相互作用はほぼ同一の遺伝子型–表現型マップとなる。本研究は、離れた場所にある一般的多型の相互作用がヒトの形質に影響を及ぼす例が多くあることを、我々の知るかぎりで初めて証明するものである。

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