Letter
宇宙:ペルセウス座銀河団の銀河間物質における均一な金属分布
Nature 502, 7473 doi: 10.1038/nature12646
銀河団を構成する銀河内の星によって生成された金属(ヘリウムより重い元素)のほとんどは現在、高温でX線を放射する銀河団内ガスに存在する。この銀河間物質からのX線輝線の観測からは、銀河団中心の外側では銀河団の間のばらつきが比較的小さく、鉄の濃集が外側へ大きな半径まで広がっていることが示唆されており、宇宙史の初期に金属が濃集したとの考え方が導かれている。初期に金属が濃集したとするモデルでは、銀河団の大きな半径で均一な金属分布が予測されるが、後期に金属が濃集したとするモデルでは、金属量に大きな空間変動が生じると予測される。これらの競合モデルを明確に区別するためには、銀河団内の複数の方向に沿って、大きな半径まで金属存在量を計測することによって、考えられる不均一性を検証することが不可欠であるが、これまで行われてこなかった。本論文では、半径と方位の関数として、鉄の存在量は著しく均一で、ペルセウス座銀河団近傍の外側に達するまで、太陽における値を単位としてZFe = 0.306±0.012 という一定値と統計的に矛盾しないことを報告する。この均一な分布からすると、銀河間物質の金属の濃集はほとんどが、銀河団の形成以前、おそらく100億年以上前の星形成とブラックホールの活動が最大だった期間に起きていなければならない。

