Article
構造生物学:14のサブユニットからなるRNAポリメラーゼIの結晶構造
Nature 502, 7473 doi: 10.1038/nature12636
タンパク質生合成はリボソームの利用可能性に左右され、この利用可能性はリボソームRNAの産生に依存している。真核生物では、RNA産生過程は14個のサブユニットからなる酵素であるRNAポリメラーゼI(Pol I)により行われ、その活性が細胞増殖の主な決定因子となっている。今回我々は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来のPol Iの3.0 Å分解能での結晶構造を示す。Pol Iのこの構造により、DNAが結合する広い裂け目(クレフト)と強く結合した柄(ストーク)を持つ、コンパクトなコアが明らかになった。伸びたループの1つは、裂け目内でDNA骨格を模倣していて、Pol Iによる転写の調節に関係している可能性がある。A12.2サブユニットは、A190の顎に当たる位置から活性部位へと伸びており、転写伸長因子TFIIS様の亜鉛リボンが、ヌクレオチド三リン酸が進入する小孔に挿入され、RNA切断におけるA12.2の役割とPol Iのα-アマニチン非感受性についての手がかりが得られる。A49–A34.5ヘテロ二量体は、伸びた腕部でA135サブユニットを取り囲んでおり、それによってサブユニットA12.2に接触してその調節を行っていると考えられる。

