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細胞:Usp16はダウン症候群に見られる体性幹細胞の異常に関与する
Nature 501, 7467 doi: 10.1038/nature12530
ダウン症候群は第21染色体の完全あるいは部分的なトリソミーによって起こる。しかし、トリソミーが原因で起こる遺伝子量の不均衡が成体組織に及ぼす影響については、まだあまり解明されていない。今回我々は、ヒト第21染色体上の遺伝子群と相同な132個の遺伝子がトリソミーになっているTs65Dnマウスでは、Usp16の三重化(triplication)が、造血幹細胞の自己複製や、乳房上皮細胞、神経前駆細胞および繊維芽細胞の増殖を低下させることを示す。さらにUsp16は、Ts65Dnの繊維芽細胞におけるCdkn2aのユビキチン化の低下や老化の促進に関連している。Usp16は、ヒストンH2Aリシン119のユビキチン(多数の体細胞組織の維持に重要な標識)を除去できる。Usp16が、単一の正常なUsp16対立遺伝子の変異、あるいは短鎖干渉RNAのどちらかによって下方制御されると、これらの異常の全てがほぼ救済される。さらに、ヒト組織でUSP16を過剰発現させると、正常な繊維芽細胞や出生後の神経前駆細胞の増殖が低下するが、USP16を下方制御すると、ダウン症候群の繊維芽細胞の増殖異常が一部救済される。まとめると、これらの結果は、USP16がダウン症候群において、自己複製と老化のどちらか、もしくは両方の経路との拮抗に重要な役割を担っていること、また、ダウン症候群に関連する病態の一部を軽減するための有望な標的となり得ることを示唆している。

