Letter
宇宙:銀河系中心に位置する超大質量ブラックホール周辺の強力な磁場
Nature 501, 7467 doi: 10.1038/nature12499
地球に最も近い超大質量ブラックホール候補は、天の川銀河の中心部に存在する。その電磁放射は、その周辺からのガスの放射効率の良くない降着によって駆動されると考えられており、これはほとんどの銀河中心核に対するエネルギー供給の標準的なモデルである。X線観測では、ブラックホールに供給される希薄で高温のガス成分がすでに解像されている。しかし、降着流の構造を決定する極めて重要なパラメーターであるガスの磁化は、明らかになっていない。強力な磁場は降着の力学に影響を及ぼすことができ、落下するガスから角運動量を除去し、相対論的なジェットを通して物質を放出し、これまで観測されているようなシンクロトロン放射を生じさせる。本論文では、銀河系中心近傍に新たに発見されたパルサーの多周波電波計測について報告し、このパルサーの異常なほど大きなファラデー回転(外部磁場の存在下での放射の偏光面の回転)が、ブラックホール付近の力学的に重要な磁場の存在を示していることを明らかにする。もし、この磁場が事象の地平面まで到達していれば、これにより、電波からX線までの波長の、ブラックホールからの観測される放射を説明するのに十分な磁気フラックスが得られる。

