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発生:再生能力の不完全なプラナリア種での頭部再生の再活性化

Nature 500, 7460 doi: 10.1038/nature12414

失った体の一部を再生できる種は動物界全体に存在するが、その近縁種には再生能力がないことが多い。「適者生存」にさらされる中で、なぜ、再生できる動物と再生できない動物とがいるのかは、興味深い問題である。扁形動物のプラナリアは、小さい組織片から体全体を再生できる能力を持つことでよく知られており、それについて詳しく研究されているが、プラナリアの中にさえ再生能力の限られた種がいることが明らかになっている。本論文では、プラナリアの一種のDendrocoelum lacteumにおける再生能力不全の特性解析の結果と、再生能力の回復に成功したことを報告する。このプラナリア種の体の後ろ半分に由来する組織断片は、頭部を再生できず、最終的には死に至る。この再生能力の不完全さは、頭部への運命指定の初期段階に起源があることが分かった。他のプラナリア種では、頭部への運命指定に、標準的なWntシグナル伝達の抑制が必要とされる。Wntシグナルの伝達因子であるDlac-β-catenin-1をRNA干渉(RNAi)によりノックダウンすると、尾部断片から完全な機能を備えた頭部が再生するようになり、D. lacteumの再生能力の不完全さが救済されたことは注目すべきである。今回の結果は、再生能力の不完全な動物での再生能力の再活性化を目指す比較解析研究の有用性を実証している。また、再生能力の不完全なプラナリアのモデル種としてD. lacteumが利用可能になったことは、どの動物が再生し、どの動物が再生しないかを最終的に決定する進化機構の解明に向けた第一歩となる。

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