材料科学:自己組織化した導電経路がある伸縮性ナノ粒子導体
Nature 500, 7460 doi: 10.1038/nature12401
伸縮性導体の研究はさまざまな技術的要望に後押しされている。フレキシブルエレクトロニクス、神経機能代替インプラントと心臓刺激インプラント、ソフトロボティクス、および他の曲線形状を持つ系は、100%を超える引張ひずみに対して高い導電性を持つ材料が必要である。さらに移植可能なデバイスや伸縮性ディスプレイは、100%のひずみを維持しながら1,000倍高い導電性を持つ材料が必要となる。しかし、材料の変形硬化の間に働く分子機構から、伸縮性と導電性は組み合せるのが基本的に難しい特性となる。固体をマクロスケールで伸ばすと化学結合が長くなり、その結果、電子軌道は、重なりが小さくなって非局在化する。この導電性と伸縮性のジレンマは、液体金属にその例を見ることができる。液体金属では、大きい変形で導電経路は維持されるが、弱い原子間結合から強度は低下する。最もよく知られている伸縮性導体は、高アスペクト比でナノメートルスケールのチューブ、あるいはナノワイヤーの浸透したネットワークを含む高分子マトリックスを使っており、このジレンマはある程度まで対処されている。アスペクト比が高い全金属成分の充填材(導電性成分)や、特定の配列(マトリックスにおける充填材の並び方)の充填材を使って、さらなる改善が達成されている。しかし、高アスペクト比の充填材を合成し、分離するのは難しい課題であり、金属充填材の体積含有量が多くなると剛性が高くなり、配列とともに異方性が大きくなる。予ひずみを与えた基板、座屈したマイクロワイヤー、三次元マイクロ流体高分子ネットワークも調べられている。本論文では、層ごとの集積か真空補助フロキュレーションのいずれかで堆積した球形ナノ粒子を含むポリウレタンの伸縮性導体を実証する。このナノ粒子は最小のアスペクト比にもかかわらず、両方の複合材料で高い導電性と伸縮性が観測された。これら材料は、機械特性の電子的な調整可能性も示しており、これは、応力下でのナノ粒子の動的な自己組織化から生じる。ナノ粒子の自己集合的な挙動を取り込んだ修正浸透理論から、実験データと非常によい一致が得られた。

