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構造生物学:細菌多剤排出タンパク質阻害の構造的基盤
Nature 500, 7460 doi: 10.1038/nature12300
多剤排出タンパク質AcrBとそのホモログは、グラム陰性病原菌の多剤耐性に重要である。しかし、排出阻害薬開発の努力にもかかわらず、臨床的に有用な阻害薬はいまだに開発されていない。ピリドピリミジン誘導体はAcrBおよびMexB特異的阻害薬であるが、MexYは阻害しない;MexBとMexYは共に緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の主要な多剤排出タンパク質である。我々は以前、抗生物質が存在する場合と存在しない場合のAcrBの結晶構造を決定した。薬物は、縦に並んだ、近位、遠位2つのマルチサイト薬物結合ポケットを経由して、機能的回転機構により排出される。今回我々は、ピリドピリミジン誘導体が結合したAcrBとMexBの阻害薬結合構造を初めて報告する。ピリドピリミジン誘導体は遠位ポケットにあるフェニルアラニンクラスターにより形成される狭いくぼみに強く結合し、機能的回転を立体的に障害する。このくぼみは基質輸送チャネルから枝分かれした疎水性のトラップである。AcrBとMexBでは178番フェニルアラニンがこのトラップの辺縁に位置し、ピリドピリミジン誘導体とのπ–π結合によって阻害薬分子との強力な結合に関わっている。MexYでは、これに相当する場所には177番トリプトファンがあり、その大きな側鎖が阻害薬との結合を妨げている。今回の研究で示された疎水性トラップの構造は、緑膿菌にあるMexBとMexYに共通する阻害薬の開発に寄与するだろう。

