Letter

工学:節足動物の眼から着想を得て設計されたデジタルカメラ

Nature 497, 7447 doi: 10.1038/nature12083

節足動物は進化によって、広角視野、低収差、運動に対する高い感度、無限の被写界深度を持つ非常に精巧な撮像系を創り出してきた。節足動物の半球形状の連立像型複眼の配置を持つデジタルカメラを構築する際に難しい問題となるのは、既存の平面センサー技術や従来の光学素子では、必要不可欠な設計要件が満たされないことである。今回我々は、節足動物から着想を得たほぼ完全な半球形(約160°)の実用的なカメラを作製するスケーラブルな経路が得られる材料、機構、一体化・組み込み方式について報告する。カメラ表面には撮像素子(人工個眼)を高密度で配置してあり、その数(180個)は、ヒアリ(Solenopsis fugax)やキクイムシ(Hylastes nigrinus)の眼に匹敵する。このカメラは、弾性複合光学素子と変形可能な薄いシリコン光検出器アレイとを組み合わせて一体化し、1枚のシートにしている。この一体型シートは、作製後の平面形状から半球形状に弾性変形させて、連立像カメラに組み込むことができる。我々の撮像結果と定量的光線追跡シミュレーションによって、動作の主要な特徴が説明される。こうした一般的な手法は、他にも、ガやクサカゲロウ(屈折型重複像眼)、ロブスターやエビ(反射型重複像眼)、イエバエ(神経重複眼)などから着想を得た複眼素子に適用可能と思われる。

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