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量子物理学:シリコン中の単一エルビウムイオンの光アドレッシング

Nature 497, 7447 doi: 10.1038/nature12081

固体中の単一欠陥に伴う電子スピンの検出は、開発が進むさまざまな量子情報や量子測定への応用において重要な操作となる。これまで、この電子スピンの検出は、結晶性固体における2種類の欠陥中心に対してのみ行われている。シリコン中のリンドーパントでは単一電子トランジスターに基づく電気的読み出しが用いられ、そしてダイヤモンド中の窒素空孔中心では光学的な読み出しが用いられている。こうした電気的読み出しと光学的読み出しの両方で、約90%のスピン読み出し忠実度が得られている。しかし、前者には熱的な限界があり、後者は光子収集効率が悪いため、量子情報の応用で必要となるさらに高い忠実度を実現するのは難しい。今回我々は、ハイブリッドな手法を実現した。すなわち、光励起を用いてシリコンベースの単一電子トランジスター中のエルビウム欠陥中心の電荷状態を(そのスピン状態に応じて)変化させ、次にその変化を電気的に検出した。光周波数アドレッシングステップの高スペクトル分解能により、これまでの電気的読み出しスキームにおける熱的広がり限界が克服され、電荷センシングステップによって、光子収集効率を改善する困難さが回避できる。この方法によって、量子情報処理デバイスの新しいアーキテクチャーが得られ、利用できる欠陥中心の範囲が大幅に広がる可能性がある。さらに、シリコン中の単一サイトの光励起を効率良く電気的に検出できることは、光ベースの量子計算とシリコン技術を相互接続する技術の開発に向けた大きな一歩となる。

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