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がん:がん治療に対する獲得抵抗性についての血漿DNA塩基配列解読による非侵襲的解析

Nature 497, 7447 doi: 10.1038/nature12065

がんはクローン進化と選択の結果として、全身的治療に対する抵抗性を獲得する。治療の結果としてのゲノム進化を調べるために繰り返し生検を行うことは、困難かつ侵襲的であり、また、腫瘍内の不均一性により紛らわしい結果が出る可能性がある。最近の研究で、固形がんにおけるゲノム変化は、がん細胞から血漿に放出された循環血中無細胞性腫瘍DNAの大量平行塩基配列解読により特徴を明らかにできることが示されており、これは非侵襲的な液体生検(liquid biopsy)法の1つである。本論文では、連続的に採取した血漿検体でがんエキソームの塩基配列解読を行い、治療に応答した転移がんのゲノム進化を追跡したことを報告する。乳がん、卵巣がんおよび肺がんの進行がん患者6人を1〜2年以上にわたって追跡した。どの症例でも、感度を高めるために腫瘍変異を有する対立遺伝子の血漿中の割合が高くなる時点を選んで、複数の治療クールにまたがって2〜5回(トータルで19回)血漿検体を採取し、エキソーム塩基配列解読を行った。2症例については、同時に生検の解析も行い、血漿中の腫瘍ゲノムがゲノム全体を反映していることを確認した。血漿中の対立遺伝子の割合を定量することで、治療抵抗性の出現に関連して変異対立遺伝子の出現量が増加することが明らかになった。このような変異には、パクリタキセル治療後のPIK3CA(phosphatidylinositol-4,5-bisphosphate 3-kinase, catalytic subunit alpha)の活性化変異、シスプラチン治療後のRB1(retinoblastoma 1)の切断型変異、タモキシフェンおよびトラスツズマブ併用治療後のMED1(mediator complex subunit 1)の切断型変異と、同じ患者でその後行われたラパチニブ治療後のGAS6(growth arrest-specific 6)のスプライシング変異、ゲフィニチブ治療後のEGFR(上皮増殖因子受容体、T790M)の抵抗性付与変異などがあった。これらの結果は、循環血液中の腫瘍DNAの全エキソーム解析は、進行がんにおける獲得薬剤耐性に関連する変異を同定する現在の侵襲的な生検手法を補完できるという原理の証明となる。血漿中のがんゲノムの連続的解析は、ヒトがんにおけるクローン進化を研究するための新しい方法となる。

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