Letter
神経科学:ショウジョウバエのキノコ体に見られる嗅覚入力のランダムな収束
Nature 497, 7447 doi: 10.1038/nature12063
キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)のキノコ体は、におい表現を、学習済みの行動応答に変換する連合脳中枢である。ケニヨン細胞(Kenyon cell)は、キノコ体に固有のニューロンで、嗅糸球体からの入力を統合して、においを神経活性の疎な分布パターンとして符号化する。我々は以前、解剖学的追跡技術を開発し、200個のケニヨン細胞のそれぞれに収束する入力の糸球体での起源を同定している。本論文では、各ケニヨン細胞が、さまざまに異なる一見ランダムな組み合わせの嗅糸球体群からの入力を統合していることを示す。各ケニヨン細胞への嗅糸球体入力は、においのチューニング特性、解剖学的特性あるいは発生学的起源について、組織立った特徴は認められない。そのうえ、異なる種類のケニヨン細胞が特定の組み合わせの嗅糸球体からの入力を選択的に統合するようには見えなかった。このような嗅糸球体のキノコ体への接続構成により、ショウジョウバエは新規の知覚経験を過去に経験した状況に当てはめることができるのかもしれない。この特徴は、学習した嗅覚関連付けと行動を仲介するキノコ体の役割に一致する。

