Article 遺伝:1,000例にわたる髄芽腫ゲノムにおけるサブグループ特異的な構造的異型 2012年8月2日 Nature 488, 7409 doi: 10.1038/nature11327 髄芽腫は、最も多い悪性の小児脳腫瘍であり、これまでのところ外科手術や全脳照射、強い化学療法などの非特異的な細胞傷害性の治療が行われている。髄芽腫は、著しい腫瘍間不均一性を示し、少なくとも4種類の異なる分子的異型があることから、以前に行われた治療標的を同定する試みは、サンプル数が少ないため十分とは言えなかった。本研究では、それぞれに異なる1,087サンプルの髄芽腫における、体細胞性コピー数異常(SCNA)を報告する。SCNAは髄芽腫でよく見られ、大半はいずれかのサブグループに分類される。局所的なコピー数増加の最もよく起こる領域は、パーキンソン病関連遺伝子SNCAIPのタンデム重複であり、非常にみごとにグループ4αへ限定される。PVT1-MYCやPVT1-NDRG1など、PVT1に頻発する転座は、chromothripsis(多数の染色体断片の再配置が同時に起こる現象)を介して起こり、グループ3に限定される。グループ3のTGF-βシグナル伝達や、グループ4のNF-κBシグナル伝達を標的として頻発する事象など、標的となりうるSCNAが非常に多くあることは、合理的な標的療法に対する今後の道筋を示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る