Letter 地球:過去50年間における陸域と海洋の観測された正味の二酸化炭素吸収量の増加 2012年8月2日 Nature 488, 7409 doi: 10.1038/nature11299 将来の気候変動予測における不確かさの最大の原因の1つは、気候変動に対する全球炭素循環の応答である。CO2全放出量の約半分は、現在陸域と海洋の炭素貯蔵庫が一体となって吸収しているが、モデルでは、このような貯蔵庫による吸収は将来減少し、炭素と気候のフィードバックは正となると予想されている。最近の研究のいくつかは、陸域と海洋による炭素の吸収速度は最近の数十年間は一定のままか減少していることを示唆している。しかし、報告された減少に疑問を呈している研究もある。本論文では、全球規模の大気中のCO2の測定、CO2排出の一覧とそれらすべての不確かさを用いて、過去50年間における全球のCO2排出源と吸収源の変化を計算した。我々の質量収支解析は、全球の正味の炭素吸収量は1年につき約0.5億トンと著しく増加しており、全球の炭素吸収量は1960〜2010年に24±8億トンから50±9億トンに倍増したことを示している。したがって、陸域と海洋の炭素シンクが全球規模で減少した可能性はきわめて低い。1959年以降、約3,500億トンの炭素が人類により大気へ排出され、その約55%は陸域と海洋へ移動した。したがって、全球の炭素吸収増加の原因となっている機構と位置を特定することは、現代の全球炭素収支を絞り込み、将来の炭素と気候の相互作用を予測するうえで重要な課題として残されている。 Full Text PDF 目次へ戻る