Letter 物性:異常に強い負の屈折を実現するニュートン的アプローチ 2012年8月2日 Nature 488, 7409 doi: 10.1038/nature11297 負の屈折率を持つメタマテリアルは、普通とは異なる方法で電磁波を操作できるため、例えば回折限界を超える集束、「間違った」方向への光の屈曲、逆ドップラー効果や逆チェレンコフ効果の実現に用いることができる。直観に反するが技術的に有用なこれらの性質は、設計どおりの電気的、磁気的、光学的特性を持つ広範な負屈折率メタマテリアルを合成しようとする多くの取り組みに拍車をかけてきた。今回我々は、半導体二次元電子ガスにおける電子の慣性を利用することによって負屈折率を実現するという別の方法を実証する。二次元電子ガスの電子は、ニュートンの運動の第二法則に従い電磁波によって集団的に加速され、この加速効果が力学インダクタンスとして現れる。力学インダクタンスを利用した負屈折率実現は、三次元金属ナノ粒子で理論的に提唱されており、三次元金属表面の表面プラズモンで実験的に観測された。我々が用いた二次元電子ガスは、極低温で三次元金属よりも大きい力学インダクタンスを持つため、ギガヘルツ周波数で屈折率−700という異常に強い負の屈折率が実現する。この顕著な負屈折率および対応する有効波長の短縮化は、負屈折の科学技術において小型化への道を開くものである。 Full Text PDF 目次へ戻る