Letter

進化:デボン紀後期の完全な昆虫

Nature 488, 7409 doi: 10.1038/nature11281

陸生化以降、節足動物および脊椎動物の多様化は2つの異なる段階で生じたと考えられている。その第一は、シルル紀からフラスニアン期(デボン紀後期)(4億2500万〜3億8500万年前)であり、第二は、多数の新しい主要分類群の出現を特徴とする石炭紀後期(3億4500万年前以降)である。この2つの多様化の時期は、脊椎動物の化石が少ない「ローマーの空白」(3億6000万〜3億4500万年前)および節足動物の空白(3億8500万〜3億2500万年前)を囲む形になっているが、こうした空白は保存状態に影響を受けた見せかけの結果だと考えられる。最近の分子年代測定では昆虫の完全変態類の年代が3億9000万年前と見積もられたが、デボン紀初期から中期(4億1150万〜3億9100万年前のプラギアン期からジベーチアン期)の六脚類の記録はきわめて乏しく、断片的な遺物に基づいているため、この多様化の年代の特定は進展していない。実際、デボン紀の古顎目については疑問が持たれているが、スコットランドのプラギアン期の地層からはトビムシ目の仲間、および特徴からみて双関節丘類のMetapterygotaの大顎を有する不完全な昆虫Rhyniognathaが見つかっている。翅を明確に有する最古の昆虫は、サープクホビアン期(石炭紀前期末)の地層から発見されている。本論文では、最古の完全なデボン紀後期の昆虫について報告する。これは、おそらく陸生種と考えられる。その「直翅目様」の大顎は雑食型であり、肉食に特化した変化は明らかに見られない。この発見は、六脚類の化石記録の4500万年にわたる空白を狭めるものであり、脊椎動物の場合と同じく、デボン紀に起こった六脚類の多様化の第一段階を詳細に示すとともに、有翅昆虫類がローマーの空白より以前およびこの空白にあたる時期に多様化したことを示唆している。

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