Letter 物性:相互作用する導線と結合した共鳴準位における量子相転移 2012年8月2日 Nature 488, 7409 doi: 10.1038/nature11265 ラッティンジャー(Luttinger)液体は、相互作用する一次元電子系であり、二次元および三次元で相互作用する電子によって形成される「従来の」フェルミ液体とは全く異なる。ラッティンジャー液体の最も顕著な特性のいくつかは、電子トンネリングの過程で明らかになっている。例えば、印加バイアス電圧または温度の関数として、トンネル電流は非自明なべき乗則抑制を示す(従来型のフェルミ液体ではそのような抑制はない)。今回我々は、抵抗導線と接続したカーボンナノチューブを用いて、トンネル電子と環境との相互作用を制御することにより、ラッティンジャー液体のトンネリングを模倣した系を作製した。さらに我々は、単一トンネル障壁を二重障壁共鳴準位構造に置き換えて、ラッティンジャー液体間の共鳴トンネリングを調べている。低温では、相互作用する環境に組み込まれた共鳴準位の完全透過を観測しており、共鳴の幅はゼロになる傾向がある。この挙動は、相互作用電子の多体物理過程に起因しており、量子相転移の存在を示すものであると考えられる。相互作用強度を含む多くのパラメーターが我々のサンプルで精密に制御できることを考えると、この系は、量子臨界現象一般を研究するための魅力的なモデル系であり、冷却原子や強相関バルク材料といったもっと複雑な系の量子相転移の理解に、広範な影響を及ぼすものである。 Full Text PDF 目次へ戻る