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遺伝:マウスゲノムのシス調節配列マップ

Nature 488, 7409 doi: 10.1038/nature11243

実験用マウスは、生物医学研究で最も広く用いられている哺乳類モデル生物である。マウスゲノムの2.6 × 109塩基にはヒトゲノムに対して高度な保存性が見られるため、マウスゲノムを完全に注釈付けすることは、ヒトゲノムの機能を理解するうえで非常に有用である。これまでのところ、マウスゲノムの機能的配列の多くは未知であり、特にシス調節配列については、まだほとんど注釈付けされていない。比較ゲノミクスはこれらの配列を見いだすための強力な手段であるが、それだけで時間的、空間的な機能を解き明かすことはできない。近年、ヒトやキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)、線虫(Caenorhabditis elegans)をはじめとする複数の生物種のゲノムにおいてシス調節配列を同定するためのChIP-Seqが開発されている。本研究では、同様の実験手法を、マウスの19種類の組織および細胞種の多様なセットに対して用い、マウスにおけるおよそ30万種類のシス調節配列についてマップを作成した。今回、注釈付けを行った配列は、合計するとマウスゲノムの11%に当たり、70%以上の保存された非コード配列を含んでいた。我々は、組織特異的エンハンサーの特徴を明確にし、それぞれの組織や細胞種で遺伝子発現を調節すると考えられる転写因子を同定した。そして最後に、マウスゲノムの多くは、協調的に調節されたエンハンサーやプロモーターのドメインで構成されていることを示す。以上の結果は、哺乳類ゲノムにおける機能的配列の注釈付けや、組織特異的な遺伝子発現を調節する機構を研究するための情報資源となる。

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