Article 遺伝:髄芽腫の異なるサブグループを標的とする新規変異 2012年8月2日 Nature 488, 7409 doi: 10.1038/nature11213 髄芽腫は、4種類のそれぞれ独特なサブグループからなる小児悪性脳腫瘍である。本論文では、髄芽腫を発生させる変異を同定するために、37の腫瘍とそれと対になる正常血液の全ゲノム塩基配列解読を行った。体細胞変異が見られることが今回わかった136個の遺伝子について、さらに56検体の髄芽腫で塩基配列解読を行った。これまでに髄芽腫との関連が示されていない41個の遺伝子に、頻発する変異が検出された。そのいくつかは、髄芽腫サブグループ3と4のH3K27およびH3K4のトリメチル化の調節因子(例えば、KDM6AおよびZMYM3)、WNTサブグループ腫瘍のCTNNB1関連クロマチンリモデリング因子(例えば、SMARCA4およびCREBBP)などの異なる髄芽腫サブグループで、エピジェネティック装置の異なる構成要素を標的としている。WNTサブグループ腫瘍を発生させるマウス下菱脳唇前駆細胞で変異をモデル化することで、この細胞系統を維持する遺伝子(DDX3X)とともに、腫瘍形成を開始させる変異遺伝子(CDH1)、あるいは腫瘍形成と協調する変異遺伝子(PIK3CA)を同定した。これらのデータは、髄芽腫サブグループの発生過程についての重要な新しい手がかりとなり、治療開発の標的も明らかにする。 Full Text PDF 目次へ戻る