Letter 細胞:特定因子によるマウス繊維芽細胞の肝細胞様細胞への直接転換 2011年7月21日 Nature 475, 7356 doi: 10.1038/nature10263 適切な器官形成のためには、細胞分化の場所およびタイミングは厳密に制御されなければならない。通常、肝細胞は、発生過程で肝前駆細胞から分化し、肝臓を形成する。しかし、これまでの研究から、特定の刺激への曝露後あるいは肝細胞との融合後には、非肝細胞系列の細胞においても、肝細胞への分化プログラムが活性化されうることが示されている。このような予想外の知見から、肝細胞分化に重要な因子が存在すること、また、このような因子が活性化されると、肝細胞系列とは異なる細胞種でも肝細胞特異的な性質が誘導されることが示唆される。本論文では、12個の候補因子の効果のスクリーニングによって、Hnf4αとFoxa(Foxa1、Foxa2、Foxa3のいずれか1つ)という2種類の転写因子の3つの特異的な組み合わせで、in vitroでマウスの胚性および成体の繊維芽細胞を、肝細胞に非常に類似した細胞に転換できることを明らかにした。この誘導肝細胞様(iHep)細胞は、肝細胞特異的な特徴を多数持ち、移植後には損傷を受けた肝臓組織を再構築することができた。iHep細胞の作出は、肝細胞分化の分子特性や肝疾患の治療可能性を考えるうえで重要となるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る