Article 細胞:溶菌エフェクターを標的細胞に送り込むVI型分泌系 2011年7月21日 Nature 475, 7356 doi: 10.1038/nature10244 ペプチドグリカンは細菌細胞壁の主要な構成物質であり、細胞膜の外側に網目構造を形成して細胞の形状を保ち、溶菌を防ぐ。グラム陰性菌では、ペプチドグリカンはペリプラズムにあり、外膜によって外来性の溶菌酵素から守られている。本論文では、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のVI型分泌系がこの防御壁を破壊し、2種類のエフェクタータンパク質Tse1およびTse3を受容側細胞のペリプラズムに送り込むことを示す。ペリプラズム内に入ったこれらのエフェクターはペプチドグリカンを加水分解し、これによって緑膿菌細胞は他の細菌との競合で適応度について優位に立つ。緑膿菌はTse1およびTse3による溶菌作用から自身を保護するために、ペリプラズムに局在する特定の免疫タンパク質を用いている。これらの免疫タンパク質は、活性のあるVI型分泌系を介した細胞間自家中毒に対して必要なものであり、このことから、細胞外へエフェクターを輸送する際に途中で供与側細胞のペリプラズムに入らないようにする仕組みが存在すると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る