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構造生物学:電位作動性ナトリウムチャネルの結晶構造

Nature 475, 7356 doi: 10.1038/nature10238

電位作動性ナトリウム(NaV)チャネルは、興奮性細胞では電気的シグナル伝達を開始させ、薬物や疾患性変異の分子標的になっているが、その電位依存性活性化、イオン選択性、および薬物による遮断の構造基盤はわかっていない。今回我々は、Arcobacter butzleri由来の電位作動性Na+チャネル(NavAb)について、4つの電位センサーが活性化されて小孔が閉じたコンホメーションの、分解能2.7 Åでの結晶構造を報告する。ゲート開閉にかかわるアルギニンの電荷は、電位センサー内で複数の親水性相互作用を形成しており、その中にはタンパク質骨格への水素結合という予想外のものも含まれる。以前に報告された開口状態のカリウムチャネルの構造との比較から、電位センサードメインとS4–S5リンカーが、小孔モジュールの基部にあるヒンジの周囲で一緒に旋回することにより、中央の小孔を広げていることがわかる。NavAbの選択性フィルターは短く、幅は約4.6 Åで、水で満たされており、イオン伝導経路の最も狭い箇所を囲むように4つの酸性側鎖が並んでいる。この独自の構造は、電場強度の高い陰イオン性配位部位を作り出しており、これがグルタミン酸側鎖との直接的相互作用により、部分的脱水状態を介してNa+選択性を与えている。予想外なことに、脂肪酸アシル基が小孔モジュール側壁の開窓を貫いて、さらに中央のキャビティまで伸びており、またこの入口は、小型で疎水性の小孔遮断薬が進入するのに十分の広さがある。この構造は、興奮性細胞の電気的シグナル伝達の理解、また疼痛やてんかん、心不整脈に対して使われる薬物の作用機作を原子レベルで解明する際の基盤となる。

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