Letter フォトニクス:もつれ光放出ダイオード 2010年6月3日 Nature 465, 7298 doi: 10.1038/nature09078 光量子コンピューターは、これまで解決困難であった問題を従来のデジタル論理で解決できるほど強力だが、多くのもつれ光子を必要とする。現在、もつれ光源はレーザーを使って光学的に駆動されるが、大規模応用に必要な光学装置は巨大で複雑であるため、量子計算での実用には向かない。パラメトリック下方変換は、最も広く使われているもつれ光源であり、非破壊量子論理ゲートの実現に用いられている。しかし、この光源は、ポアソン的であり、ほとんどのサイクルでゼロまたは複数のもつれ光子対を確率的に放出する。これにより、量子コンピューター操作の成功確率が根本的に制限される。これらのやっかいな問題は、もつれ光子対のオンデマンド電気駆動源を用いることで克服できるが、これまでそのような光源は作製されていない。今回、半導体発光ダイオード(LED)に量子ドットを埋め込んだ構造の電気駆動もつれ光子対源を実現したことを報告する。このデバイスが、直流注入と交流注入のもとでもつれ光子対を放出し、交流注入の場合に最高0.82のもつれ忠実度が達成されることを示す。このような高い忠実度のもつれ光は、量子リレーや、テレポーテーションなどの量子計算の中核要素、もつれ交換への応用に十分なものである。もつれ光放出ダイオード(ELED)が交流で動作することは、ELEDが複雑なレーザー駆動システムを必要としないオンデマンド光源としての機能を果たす可能性があることを示唆している。したがって、現時点でELEDは、将来のスケーラブルな量子情報応用の基礎となる最も優れた光源である。 Full Text PDF 目次へ戻る