Letter 教育:後進の成長に対するメンターシップの役割 2010年6月3日 Nature 465, 7298 doi: 10.1038/nature09040 後進の成長に対するメンターシップの役割は、大学、企業や政府組織にとって重要な問題である。後進、メンター、および両者が所属する組織にとって、メンターシップの恩恵は明白であるが、後進がメンターのキャリア選択を見習ってメンターシップ技術をどれだけ身につけるかは明らかにされていない。科学、技術、工学、および数学の分野の労働力が経済成長に重要であること、さらに「健全な」そうした労働力の維持に効果的なメンターシップが役割を果たしていることから、学術界でメンターシップが果たす役割についての研究が求められている。今回我々は、数世紀にわたって膨大な数の数学者に関するメンターシップの記録を追跡している数学者の系譜プロジェクト(Mathematics Genealogy Project)の データを利用して、メンターシップの生産力(1人のメンターが指導する後進の数)を調べることにより、メンターを後進がどのように見習うかの一側面を検討した。我々は、学術的数学研究者の生産力がほかの学術的成果の指標と相関していることを明らかにする。また、過去60年間にわたって記録されているメンターシップでは、メンターの平均生産力が安定していることもわかった。さらに、メンターシップの生産力に関して、重要な相関関係が3つ発見された。第一に、メンターシップ生産力の低いメンターが指導した後進は、予測を37%上回るメンターシップ生産力をもつようになる。第二に、生産力の高いメンターがそのキャリアの最初の3分の1で指導した後進は、予測を29%上回る生産力をもつようになる。第三に、生産力の高いメンターがそのキャリアの最後の3分の1で指導した後進は、予測を31%下回る生産力をもつようになる。 Full Text PDF 目次へ戻る