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生化学:II型およびIA型トポイソメラーゼによるDNA切断の新規かつ統合された2金属イオン機構

Nature 465, 7298 doi: 10.1038/nature08974

II型トポイソメラーゼは、DNAの結び目や超らせんの処理に必要であり、臨床的に使われる抗生物質や抗がん剤の標的である。これらの酵素は、一方のDNA二本鎖(トランスポート鎖、あるいはTセグメント)に、もう一方のDNA鎖(ゲート鎖、あるいはGセグメント)に一時的に生じた二本鎖切断箇所をATP依存的に通り抜けさせる過程を触媒しており、タンパク質の解離可能な内部境界面群(ゲート)を用いて、タンパク質中をDNAが通り抜けるように誘導する。20年以上前に、二量体に由来する一対のチロシンが二価陽イオンと共に働いて、Gセグメントの切断を触媒することが確定された。また最近の研究では、DNA合成からRNA自己スプライシングに至る重要な細胞内過程を支える、広くみられる生化学戦略である「2つの金属イオン機構(two-metal mechanism)」により、鎖切断が行われると考えられるようになった。今回我々は、出芽酵母Saccharomyces cerevisiae由来のトポイソメラーゼIIのDNA結合・切断コア部分が活性部位のチロシンを介してDNAに連結している状態の分解能2.5 Åでの構造を示し、II型トポイソメラーゼの、切断能力をもつ形態の構造を初めて明らかにした。予期外のことだが、切断は古典的な2金属イオン機構の今まで知られていなかった変形によって触媒されていることが、金属浸漬実験により示された。比較解析により、この方式を使って、遠縁のIA型トポイソメラーゼが一本鎖DNAを切断する仕組みも説明できることがわかり、これら2種類の必須の酵素ファミリーの切断機序が統合された。またこの構造から、分子「落とし戸」を作動させて切断中のサブユニットの解離を防ぐ、今まで知られていなかったアロステリックなリレーが明らかになった。この機構統合は、染色体の結び目をほどく必須の装置がDNA切断を自己調節して、変異原性で細胞毒性のあるゲノム損傷の異常形成を防ぐ仕組みを明らかにしている。

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