Letter ナノテクノロジー:近接度に基づくプログラム可能なDNAナノスケール組立ライン 2010年5月13日 Nature 465, 7295 doi: 10.1038/nature09026 我々は、望みの形状や組成をもつナノ粒子などのナノメートルスケールの化学種を合成できる。そこで、制御された方法でそれらを組み合わせてより大きな構造体を作ることにより、新しい機能性材料やデバイスの作製が期待できる。この作業は、自己集合法によって効率よく行うことができるが、熱力学的および動力学的な制約を受ける可能性がある。すなわち、自己集合が進行しているときに、反応物、中間体、産物が互いに衝突し、目的種ではなく目的外の種が生成してしまうかもしれない。別のナノスケール組立法では、DNAのような情報をもつ分子を用いて相互作用が制御され、さまざまな成分間の不要なやりとりが最小になる。原理的には、この方法では、別々に選ばれたナノスケールの部品をつなげることによって目的産物をプログラムし、段階的に組み立てることができるだろう。これは、自動車が組立ラインで組み立てられるのと同様である。今回我々は、3種の既知のDNA系モジュールを慎重に組み合わせて、ナノスケール組立ラインを実現できることを実証する。これらのモジュールは、組立工程の骨組みや経路となるDNA折り紙タイル、プログラム可能な荷物供給デバイスとして働き個別制御される3つの二状態DNAマシン(DNA折り紙タイルに一列に取り付けられている)を含むカセット、デバイスからデバイスへと経路上を移動して荷物を集めることができるDNAウォーカーである。DNAウォーカーが折り紙タイル経路によって規定された進路を横切ると、3つのDNAデバイスと順番に遭遇する。各デバイスは別々に、荷物をウォーカーに移送できる「オン」状態と、移送しない「オフ」状態に切り替えられる。我々は、3種類の金ナノ粒子種を荷物として用いて、この実験系が実際に、3つの二状態デバイスで得られる8つの異なる産物を制御して組み立てられることを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る