Letter

進化:全生物の共通祖先という理論の形式的検証

Nature 465, 7295 doi: 10.1038/nature09014

全生物の共通祖先(universal common ancestry;UCA)は、現在の進化理論の枢要概念の1つである。ダーウィンが最初に考えたように、UCA理論では、地球上のあらゆる現生生物は遺伝的な「遺産」を共有し、各生物は太古の単一生物種の系統的子孫であるとされている。UCAの古典的な証拠は、数は多いが、全生物ではなく、一部の特定の門などの「局地的」な共通祖先にほぼ限定されており、現在の系統学や確率論の最近の進歩による成果はまだ完全に組み込まれていない。UCAは広く想定されているが、形式的かつ定量的な検証はほとんど行われておらず、そのため、このように広範囲に及ぶ理論の実験的評価につきものの技術的困難を強調する批判的論評を招いてきた。さらに、初期の生命は頻繁な遺伝子水平伝播を特徴としていたとする意見もあり、一部の研究者は生命の単系統性に疑問を投げかけている。本論文では、配列の類似性が遺伝的近縁性を意味するという仮定をせずに、UCAの秩序立った基礎的な検証を、私の知る限りで初めて行った。オーソロガスと考えられている広く保存されたタンパク質群に注目し、モデル選択理論を分子系統発生に応用することでUCAを検証した。主要な分類群には独立した祖先があるとする見方を含むさまざまな生物学的モデルの中で、モデル選択検証では、遺伝子の水平伝播および共生による融合事象の存在とは関係なく、UCAが圧倒的に支持された。今回の結果は、既知の全生物の単系統性を強く裏付ける統計的証拠となる。

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