Letter 生化学:クモ糸タンパク質の保存されたドメインは繊維集合を制御する分子スイッチ機能として働いている 2010年5月13日 Nature 465, 7295 doi: 10.1038/nature08936 非常に多様なタンパク質が繊維状の構造を形成可能で、とりわけ高いタンパク質濃度ではこうした現象がよく起こる。そのため、クモ糸のタンパク質が高濃度でも可溶状態で保存され、必要な時に非常に安定な繊維へ変形可能であるのは驚くべきことといえる。クモ糸タンパク質は両親媒性ブロック共重合体と似ており、ポリアラニンとグリシンに富む極性領域が繰り返されてコア部分となり、その両側に高度に保存された非反復型のアミノ末端とカルボニル末端ドメインが配置されている。N末端ドメインは分泌シグナルを含んでいるが、それ以上の機能はわかっていない。C末端ドメインは、可溶性と繊維形成の制御に関係があるとされている。繊維形成は、イオン組成の変化と機械刺激(繰り返し配列部分を整列させ、βシートの形成を促進することが知られている)により開始される。しかし、最近の構造データにもかかわらず、この注目すべき性質の分子レベルでの詳細はわかっていない。今回我々は、クモのしおり糸に含まれるタンパク質のC末端ドメインの溶液構造を示し、このドメインの構造状態が、クモ糸タンパク質の貯蔵形態と集合形態の間の制御された切り替えに必須である証拠を提示する。また、C末端ドメインは、クモ糸タンパク質の骨格中の反復部分により形成される、二次構造的特徴の整列(繊維の機械的な性質に重要であることが知られている)にもかかわっている。 Full Text PDF 目次へ戻る