Letter 地球:ペルー中央部巨大逆断層上の地震性および非地震性すべり 2010年5月6日 Nature 465, 7294 doi: 10.1038/nature09062 沈み込む巨大逆断層上では、地震性と非地震性のすべりが起こりうる。これは、地震性と非地震性の2つのすべりモードが時間的空間的に互いに補い合って、長期的なプレート運動を調節することによる。深さ約40 km以深ではすべりはほとんど完全に非地震性となるが、断層表面におけるひずみの不均質性から、浅いところでは両方のモードが生じ、地震間と地震後の期間には一定常クリープや遷移クリープの結果として非地震性すべりが起きると考えられる。したがって、活断層は、主として地震時にすべる領域と、おおむね非地震性すべりが生じる領域とからできていると考えられる。つまり、巨大逆断層が生成しうる地震の規模、場所、頻度は、非地震性クリープが起きる場所と時間、長期すべり速度をどの程度それによって説明できるかに依存している。本論文では、ペルー中央部の巨大逆断層に着目して、この問題を検討する。モーメントマグニチュードMw = 8.0のピスコ地震は、地震間には固着し続けていた部分の中にある2個のアスペリティを破壊し、2個の隣り合った部分で非地震性の摩擦的余効すべりを引き起こしたことを示す。最も明瞭な余効すべりの起きた領域は沈み込むナスカ海嶺と一致しており、その領域は地震間の連結が低いという特徴ももっていて、過去において繰り返し、地震破壊伝播に対する障壁として働いたようである。したがって巨大逆断層の地震発生部分は、速度弱化と速度強化する部分が互いに指交して構成されていると考えられる。速度強化する部分は非地震性すべりの高い割合を占めており、巨大プレート間地震の広がりと頻度を決定している。非地震性すべりによって、ペルー中央部の巨大逆断層における地震発生帯のすべり収支のうちの50〜70%が説明され、ピスコ地域におけるMw = 8.0の地震再来周期は250年となると見積もられる。 Full Text PDF 目次へ戻る