Letter 宇宙:H2放射は超高光度赤外線銀河の外側の光解離領域から生じる 2010年5月6日 Nature 465, 7294 doi: 10.1038/nature09037 超高光度赤外線銀河は近傍宇宙で最も明るい天体の1つであり、激しい星形成がその動力源であると考えられている。これらの天体において中赤外波長で観測される分子状水素の回転スペクトル線は、塵の掩蔽によって影響を受けないことが示されているが、この放射の励起源は未解明のままである。本論文では、超高光度赤外線銀河に関するスピッツァー宇宙望遠鏡のアーカイブデータの解析について報告し、塵の掩蔽が星形成の指標には影響を与えるが、分子状水素には影響を与えないことを示す。その結果、H2放射は掩蔽された星形成活動と同じ空間にあるのではなく、掩蔽された領域の外側で生じていることが明らかになった。このことは、H2放射が星形成活動と直接的に関係しているという一般的な考え方からすると予想外である。本論文では、これらの天体におけるH2放射は、近傍の銀河との相互作用によって励起される周辺物質中の衝撃波に由来するという、別の考え方を提案する。したがって、H2放射を介する大規模な衝撃波による冷却は、これまで考えられていたよりも一般的である可能性がある。初期宇宙では、物質が崩壊して最初の星や銀河が形成されるときに、この過程によるH2放射の増加によって物質の冷却が加速された可能性があり、こうした銀河や星の最初の構造がより容易に観測できるようになったのであろう。 Full Text PDF 目次へ戻る