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生化学:生物の銅二核中心によるメタン酸化

Nature 465, 7294 doi: 10.1038/nature08992

世界に大量にあるメタンガス供給源は、液体燃料や化学物質の製造原料として十分に活用されていないが、それはメタンをメタノールへと選択的に酸化する、経済的で持続可能な手法がないからである。メタンの強力なC–H結合(104 kcal mol−1)を活性化するために現在使われている方法には高温が必要で、費用がかかるうえに効率も悪く、廃棄物も出る。自然界では、メタン資化細菌がメタンモノオキシゲナーゼ(MMO)とよばれる金属酵素を用いて、環境条件下でこの反応を行っている。したがってMMOは、効率がよく自然環境を損なわない触媒の最適なモデルとなる。MMOには2つの種類がある。可溶性MMO(sMMO)は、銅の量が限られている場合に複数系統の菌が発現するMMOで、鉄二核中心の触媒作用によりメタンの酸化を行う。この鉄中心については詳しく解明されている。粒状MMO(pMMO)は、メタン資化菌すべてが発現する膜内在性金属酵素で、pmoA、pmoB、pmoCという3種類のサブユニットをもち、α3β3γ3という三量体である。20年も研究が続けられ、2つの結晶構造が得られているにもかかわらず、pMMOの金属活性部位の構成と位置は明らかにされていなかった。今回我々は、pMMOの活性が鉄ではなく銅に依存していること、銅活性部位はpmoBサブユニットの可溶性ドメインにあり、膜内にはないことを明らかにする。遺伝子組み換えで得たpmoBの可溶性断片(spmoB)は銅に結合し、プロピレンとメタンの酸化活性を示した。変異導入によってspmoBの各銅中心を破壊することで、活性部位が銅二核中心であることがわかった。これらの知見はpMMOを巡る論争を解決し、環境にやさしいC–H酸化触媒の開発における新たなアプローチとなるだろう。

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