Article 脳:ニューロンネットワークの別個の状態により表現される嗅覚パターン分類 2010年5月6日 Nature 465, 7294 doi: 10.1038/nature08961 感覚、認知、行動行為のそれぞれに、種類別の性質があることは、脳が、ニューロンの活動パターンを、別個の脳内表現として分類していることを示している。パターン分類はおそらく、ニューロン回路がある活動状態から別の状態へと急激に切り替わることでなされるのだろうが、これを検証した実験研究はほとんどない。今回我々は、匂い物質の濃度あるいは分子種を徐々に変えて、ゼブラフィッシュ嗅球の出力ニューロン全体の反応を光学的に測定した。集団活動パターンは、匂い物質濃度の変化に対しては概して無応答だったが、ある匂いから別の匂いに徐々に変えていくと、あるところで急に別の匂い表現に切り替わった。この切り替えは、嗅球全体のネットワーク状態の変換によってではなく、ニューロン小集団間の協調的応答性の変化によっていた。したがって、アトラクター・モデルで考えられているように、嗅球は、匂い物質が作る入力パターンを、多数の別々の出力パターンに分類している。この計算は知覚現象と合致し、脳の一般的な情報処理戦略を表しているのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る