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細胞:ミトコンドリアDNA疾患の遺伝防止を目的としたヒト胚の前核移植

Nature 465, 7294 doi: 10.1038/nature08958

ミトコンドリアDNA(mtDNA)の変異は、遺伝病の一般的な原因の1つである。mtDNAにおける病原性突然変異は、生産児の250人に1人の割合でみられ、英国では成人1万人当たり少なくとも1人がmtDNA疾患に罹患している。mtDNA疾患患者の治療選択肢は極めて限られており、その大半は本質的に支持療法である。mtDNAは母親から受け継がれるため、これまで、核移植技術がヒトmtDNA疾患の遺伝を予防する方法になりうると考えられてきた。今回我々は、異常受精したヒト接合子間で前核移植を行ったところ、ドナー接合子のmtDNAの持ち込みはごくわずかであり、in vitroでの胚盤胞期への発生が可能であることを示す。この手法を最適化させた結果、2つの前核の移植後における持ち込みの平均値は2.0%未満となり、多くの胚ではドナーのmtDNAは検出されないことが明らかになった。我々は、接合子間の前核移植は、最近発表された第二減数分裂中期の紡錘体移植と同様に、ヒトのmtDNA疾患の遺伝を防止する可能性があると考える。

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