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生物物理:光合成を行う海生藻類における常温でのコヒーレントに接続された集光

Nature 463, 7281 doi: 10.1038/nature08811

光合成は、太陽光を使って二酸化炭素を有用なバイオマスに変換するもので、地球上の生命にとって極めて重要である。光合成過程の重要な成分は、光を吸収し、得られた励起エネルギーを分子間で伝達して反応中心まで運ぶアンテナタンパク質である。このような電子エネルギー伝達の効率の高さによって、光合成生物から単離されたアンテナタンパク質に関する多くの研究が行われ、基本的な作用機構が解明された。最近の研究では、一部の光合成タンパク質に含まれる光吸収分子が、最高180 Kまでの温度で、古典的法則ではなく量子力学的確率法則に従ってエネルギーを捕捉し、伝達することが実証されている。これは、複雑な生体系では低温であっても分子間の長距離量子コヒーレンスは維持され得ないという、ずっと以前からの考え方とは対照的である。今回我々は、海生クリプト藻類から単離された、進化的に関連する2種類の集光性タンパク質について、二次元フォトンエコー分光法での測定を行った結果を報告する。この測定によって、室温でも、明確な相関と反相関をもつ励起振動が非常に長く続くことが明らかになった。これらの結果から、生物学的に可能な条件下で、幅5 nmのタンパク質全体にわたる電子励起の量子コヒーレントな共有を示す有力な証拠が得られ、海生クリプト藻類では、光合成タンパク質内に含まれる離れた分子が量子コヒーレンスによって互いに「接続」されて、集光効率を高めていることが示唆される。

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