Letter 地球:移動する微動により明らかになったサンアンドレアス地震断層直下の複雑な変形 2010年2月4日 Nature 463, 7281 doi: 10.1038/nature08755 サンアンドレアス断層は、世界で最も詳しく研究されている断層の1つだが、比較的浅いところにある地震発生帯の下の物理的性質と変形モードは、ほとんどわかっていない。最近発見された地震信号であるテクトニックな「非火山性」微動は、いくつかの主要な断層が深部へ広がった部分のせん断すべりにより発生していると考えられている。このような微動から、カリフォルニア州パークフィールド近傍のサンアンドレアス断層を含むそのような断層の深部の変遷について、新たな知見が得られる可能性がある。本論文では、2001年中ごろから2008年までの連続的な地震データを調べて微動を同定し、複数の観測点における地震波形の形状と到着時間に基づいて、その信号をさまざまな活動群に分解した。このような手法により、深部断層の隣接する断片の活動の分別が可能になり、豊富で複雑な微動発生パターンを識別できるようになった。その結果、微動がほぼ連続的に移動しており、最も広範囲にわたる事象では、断層の走向に沿って時速15〜80キロメートルで20キロメートル以上移動することがわかった。このことは、この地域では、サンアンドレアス断層が少なくとも地殻の底まで局所的に貫通した構造を残していることを示唆している。微動の発生頻度と再来のようすは2004年パークフィールド地震(マグニチュード6.0)の後で顕著に変化しているが、この変化は微動発生帯内部で一様とは言い難く、おそらく断層の性質の不均質性と破壊域から遠ざかるにつれて、静的応力と動的応力が減衰することを反映している。本論文で立証された微動の系統的な再来は、サンアンドレアス断層深部のこの部分の時間変化する変形を詳細に監視できる可能性があることを示唆している。この変形は、1857年のフォートテフォン地震(マグニチュード7.9)によって破壊されたのが最後である浅部に、不規則に負荷を加えている。 Full Text PDF 目次へ戻る